エスカレーター効果

エスカレーター効果(Escalation of Commitment)とは、一度の意思決定や行動に対して取り組んだ努力や投資に基づいて、その後も継続的に努力や投資を増やす傾向を指します。つまり、既に取り組んでいるプロジェクトや活動に対して、途中で諦めることが難しくなり、さらに多くのリソースや時間を投入してしまう現象です。

エスカレーター効果は、合理的な判断とは言い難い行動を引き起こすことがあります。人々は、既に投資したリソース(時間、お金、努力)を無駄にしたくないという心理的なプレッシャーや、一度の失敗が過去の努力を否定してしまうことへの恐れから、継続的に取り組みます。

この効果は、個人や組織の意思決定において見られることがあります。例えば、ビジネスプロジェクトの失敗が明らかになっても、プロジェクトの継続を強行したり、資金や時間を追加投入したりするケースがあります。また、個人的な関係や投資においても、一度の失敗やトラブルがあっても、それを修正しようとしてさらに関与を深めることがあります。

エスカレーター効果は、合理的な意思決定においては注意が必要であり、冷静な判断を行うためには既存の投資や努力に執着することなく、適切な情報や評価を基に判断する必要があります。