セルフ・コンパッション

セルフ・コンパッション(Self-Compassion)は、自己に対して温かく、理解し、思いやりのある態度を持つことを指します。セルフ・コンパッションは、自分自身を受け入れ、自己評価や自己批判に囚われずに、自己理解や自己発展を促進するための心の姿勢です。

セルフ・コンパッションは、以下の3つの要素で構成されます:

1. 自己親切性(Self-Kindness): 自分自身に対して優しく思いやりのある態度を持つこと。自分を支え、励まし、自分自身を大切にすることが含まれます。

2. 共感(Common Humanity): 自己の苦しみや難しさを共有し、人間共通の経験として捉えること。他の人々も同様に苦しんだり、失敗したりすることがあることを理解し、自己孤立感から解放されます。

3. 心理的な安定(Mindfulness): 現在の状況や感情に対して客観的でありながらも受け入れること。過度に感情に囚われることなく、自分の感情や思考を観察し、受け入れることができます。

セルフ・コンパッションは、自尊心や自己肯定感とは異なる概念です。セルフ・コンパッションでは、自分自身を完璧である必要はなく、自己価値は達成や外部の評価に依存しないとされます。セルフ・コンパッションは、自分自身を人間として愛し、受け入れることで、自己成長や心の健康を促進する効果があります。

セルフ・コンパッションは、心理療法自己啓発の分野で広く研究されており、ストレスやうつ症状の軽減、自己効力感の向上、関係性の改善などにポジティブな影響を与えるとされています。